【2】 有 珠 山 噴 火 の 歴 史
記録に残る有珠山の火山活動=)
年代
噴火地点
前兆地震
生じた山体
主要災害原因
前の活動からの休止期
1663年(寛文3)
山 頂
3日前から
火砕サージ、死者5
数千年
17世紀末 ※ 有珠新山
北西部
  
   ? 事後の噴火で破壊        ?   数十年
1769年(明和5)
山 頂
前兆あり 小有珠 火砕流、
家屋焼失
数十年
1822年(文政5)
山 頂
3日前から
オガリ山 火砕流、死者103
52年
1853年(嘉永6)
山 頂
10日前から
大有珠 火砕流
31年
1910年(明治43)
北 麓
6日前から
四十三山
(明治新山)
火口45個、死者1
(熱泥流)
57年
1943年〜45年
(昭和18〜20年)
東 麓
半年前から
昭和新山 火砕サージ、火口7
個、地殻変動、村

損壊、死者1(窒息)
33年
1977年(昭和52)
山 頂
32時間前
から
有珠新山
(潜在ドーム)
山麓一帯地殻変動
土石流、死者3
32年
2000年(平成12)
西 麓
4日前から
西山高原・
山麓・国道
金比羅山
火砕サージ、火口(西
山30個、金比羅山
25個)地殻変動、全
町避難
23年

※ 地質調査により新たな地層発見(洞爺湖町洞爺湖温泉ー立泉寺ー2001年10月ー)
1の様子 
松前藩から徳川幕府への報告(虻田町史から)
7月11日から13日まで地震が続き、14日明け方に噴火が始まり、15日から激しい鳴動と
  降灰があり、有珠近辺のウタリの家が焼け、5名が逃げ遅れて死亡。15日の大爆発では山
  が真っ二つに割けて、有珠山の峰は大部分が吹っ飛んでしまった。7月末まで噴火が続き
  降灰は海上50キロにも流れ、波打ち際から5キロが陸地のようになった。(虻田町史から)
    
4の様子
大臼山焼崩日記(おおうすざんしょうほうにっき)(『日鑑ノ写』から一部抜粋)
    3月9日(新暦表記)深夜2時頃地震があり、夜明けまで三度ほど。
  10日朝より14〜5回。夜に入っても30回程。
  12日昼までに100回程。深夜2時頃、山が鳴動して鳥居から五、六十メートルばかり西の外
側から火が噴きだし、土煙を上げ、まさに晴天の霹靂。前代未聞。一同安全祈願の祈祷を
した。役アイヌも平アイヌも、めいめい太刀を抜き放って御山に向かって祈祷した。女や子
  供は泣きわめき、親子の見境もなく逃げ惑う有様は目をおおうばかり。
   3月20日再び噴火、21日夜大雨になり逃げ出した者達も皆我が家に帰った。
  23日朝6時頃弁辺の仮り館で朝の勤行中に御山が鳴動。地響きは百千の雷が一度に  
  落下したかのよう。和尚は一心に安全の祈願をなされた。 
   召使の徳次が顔色を変えて報告に来た。今朝方、御山の鳴動は前々の百千倍にも激し
  く、焼石、焼灰、猛火一面に溢れて長流川(長和)からフレナイまで、草木に至るまで焼き払
  われた。虻田御詰合、会所、御用武器倉、御囲い米蔵、牧士の家々、御厩、アイヌの家等
  数百棟(約90棟と推定)が一時に焼失し、広々とした野原になってしまった。アイヌも和人も
  見分け出来ないほど焼け爛れ、あちこちに倒れ伏し、助けてよ、助けてよと泣き叫んでいる
  煙が深くてどうにも出来ず、海辺を伝って一目散に走って来た。その他、アイヌや、馬・水鳥
  に至るまで数知れず。

9の様子
23年目の噴火
 2000年3月31日午後1時7分頃、有珠山西側山麓から噴火。噴煙は東に流れ高  
  さは3千メートルを超えた。
4月1日午前2時50分再噴火、今時噴火最大規模のM4.8の地震観測。
  11時40分頃、洞爺湖温泉街に近い金比羅山西側山腹から新たな噴火始まる。同日午
  後4時30分には黒煙が噴き上がり噴火の勢いが更に強まる。3日には町役場を閉鎖、 
  災害対策本部とともに豊浦町に全面移転(4月30日まで)。
   4月4日午前8時30分、金比羅山で泥流、噴石を伴う噴火発生。泥流がふもとの洞爺
  湖温泉街に達した。同日西山山麓に断層群が出現、翌4月5日には段差約10メートルの
  隆起地形を形成(最大70メートル隆起)
   避難は1市2町の住民16000人(噴火1ヶ月後)が8コ市町村54カ所で最長6ヶ月、仮 
  設住宅においては、2年間の仮住まいとなった。
   噴火によって失ったものは多いけれど、貴重な経験を通してそれ以上のものを得、また 
  見えて来たものの方がはるかに多い。実に多くの愛と勇気と感動を得た。
            
噴火による直接の被害状況
    全(半)壊建物:住 宅 380(224)世帯
  小・中学校・保育園・幼稚園・病院・介護施設・給食センター・ホテル・工場
   図書館・郷土資料館・消防署・町営浴場・焼却場・国道(230号線)・JR室蘭
    本線・町道・高速道路・橋梁・上下水道等の損壊
    田畑の傾斜や亀裂・火山灰

 
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噴火災害の記録
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